混沌に沈む

嵌められた枷

 男は元々セシルの側に寄ることを好んでいたが、彼を玩具に貶めてからはその傾向が強まった。撮影が終了した後にセシルの方へと歩を進めると、彼の優雅な微笑が引き攣り、肩が震え、視線が僅かに落とされる。何者にも侵されていないように振る舞っているセシルに現実を突き付けることは男の加虐的な嗜好を満たした。  病院に辿り着く頃にはセシルからは血の気が失せ、能面のような表情になっているのが常だった。閉鎖された診療室でセシルは男達に促されると、ゆっくりと衣服を脱ぎ始める。  地獄めいた時間が始まるのを緩慢な動きで少しでも遅らせようとしているのは明らかだった。  男は足音を立ててセシルに近づくと、服を強く引っ張った。 「……っやめてください!」 「なんだお前、処女でもない癖に。今更貞操意識でも湧いたのかよ」  途端に男達は品の無い笑い声を垂れ流す。それに含まれる明確な侮蔑を感じ取り、セシルは奥歯を強く噛み締めた。 「それはそれは。大変失礼致しましたってか」 「セシル君って案外可愛いところあるよねぇ。今日は少し素面でヤってみようか」  医者は手にしていた薬瓶を傍らに置くと、そのままセシルへと手を伸ばした。  薬効がないということは、セシルの心に地獄のような現状をはっきりと刻み込むとの同義だった。以前より開発の進んだ躰は男達の愛撫に多少は応えるものの、それ以上に苦痛や悲しみがより深くセシルを襲う。膚を撫でられて零れる息の熱さも、頭の片隅まで刺激されるような快感も、情けない呻き声を洩らしながら迎える絶頂もセシルにとって疎ましい物でしかない。  男達から反応の一つ一つを卑猥に揶揄されるだけでも気が狂いそうになる。そして挿入はまだ経験が浅いこともあり、薬効がなければ殆ど苦痛でしかなかった。 「おい、少しは頑張って腰動かせよ」  男はセシルの尻を粗雑に叩く。セシルが苦痛を感じているのを理解した上で、男は彼に騎乗位を強制した。敢えて慣らすことも最低限しか行っていない為、男の長大な陰茎を抜き挿しする度に狭いそこは酷く痛んだ。 「……っ! あ゛ぁ……はっ……は……! うぐっ、ぅ……!」  無理に動いたせいで切れたらしく、辺りには血の臭いが漂い始めている。セシルは眉間に皺を寄せながらも、懸命に腰を上下させた。僅かにペースは上がったものの疲弊した状態でやっと行う動きは到底相手を満足させるものとは言えなかった。 「お前、俺を馬鹿にしてんのか? 腰振りも出来ないんならアイドルなんか辞めちまえ」 「…………すみませっ」 「なんだその顔は。嫌々やってんのがバレバレなんだよ」 「……っゔ!」  男が強く腰を突き上げると内部がより深く広げられる。頭の先まで引き裂かれそうな圧迫感が襲い、セシルは思わず動きを止めた。その様子を見て男は深い溜め息を吐く。 「薬出せ。やっぱり素面は面白みがねえよ」 「先にヤっといてそれは酷いな。これはこれで可愛いと僕は思うんだけど」  医者は不満げに呟きながらも薬を並べ始めた。瓶が置かれる軽い音だけでも、セシルは全身を萎縮させる。これ以上使われたら自分がどうなってしまうのか、考えるだけでも息が乱れた。 「あのっ! ……頑張りますから。薬はもう使わないでください」 「玩具風情が随分偉くなったもんだな」 「へぇ、まだやめてって言えるんだ」  そう呟いた医者は鍵付きの戸棚から注射針を取り出した。古ぼけたラベルが貼られた瓶も次々に並べられていく。それを見た男は口笛を吹いた。 「今日は薄めないでやるのか。コイツの頭ぶっ飛んじまうぞ」 「それだけじゃないよ、他にも幾つか強いの試そうと思ってる。セシル君なら大丈夫さ。この子、依存症状が多分殆ど無いんだ。普通だったらもう〝やめて〟なんて口が裂けても言えない筈なのにね」 「…………っ」  セシルは医者と目を合わさないように思わず顔を伏せた。流石に魔法だとは思っていないだろうが、医者はセシルが薬の中和をしていることに気付いている。そして中和が完全に出来ている訳ではないことまで、彼は恐らく理解しているのだ。  これ以上強い薬を使われたら――セシルが抱いた懸念は間違いなく現実になる。逃げ出したいと心は叫び続けているが、躰には未だ男の陰茎が枷のように突き刺さっている。それに男達が手にしている映像の数々について考えると、今セシルが逃げ出しても無駄だ。物理的にも精神的にも逃げ出す余地などない。 「うわっ……あ゛あぁ!」  そんなセシルを嘲笑うように男はセシルをベッドに押し倒し、強引に陰茎を引き抜いた。  滑りの良くない躰にとっては苦痛でしかなかった。男はセシルに上からのしかかったまま、腕を掴み医者へと差し出す。医者は淡々と消毒し、針の先端を柔らかな膚に押し付けた。 「お願いしますっ……お願いですから……! もうやめてください!」 「暴れたら中で針が折れて死ぬよ」  思わず身を固くしたセシルに医者は針を深く突き刺した。男が頭を押さえ付けるせいで、セシルは劇薬が注入されていく様子から顔を背けることさえ出来ない。  嫌だ、やめて、とセシルは何度も拒絶を叫んだが、その言葉は男達を悦ばせるばかりで、何の効果も示さなかった。 「今まで頑張っていろんなもの詰めたおつむも全部台無しになっちまうな」  男が笑いながら呟いた言葉を最後に、セシルの正常な意識は途切れた。医者が顔を覗き込むと、曇った硝子のような瞳が力無く見つめ返すばかりだ。感度を確かめる為に膚を辿れば、悲鳴染みた嬌声が部屋を満たした。 「やっぱり原液を注射だと効くのも早いし面白いね」 「うゔぁああ゛ぁああ゛っ♡ あっ、はぁ……っぐ、いぁあ゛あっ!」  白濁が辺りに飛散し、カルキ臭が漂う。それを恥じらう余裕すら、今のセシルからは失われていた。漸く与えられた快楽に脳髄が焼き切られる。 「この変わり身の早さ、何度見ても笑えるな」  男達の下劣な笑い声が辺りに響き渡る。そこには明らかにセシルを貶めようという意志が含まれていたが、理性を奪われた彼はそれに気付くことなく、脳裏を満たす幸福感に従って男達と共に口角を引き上げるばかりだった。気を良くした男は手近な錠剤を手に取ると、セシルの舌へとまるで褒美のように乗せた。 「いい子だ。もう少し待てよ…………」 「……っはぁ、ひ♡」  指示を出されている間、セシルは大人しく劇薬を舌に乗せたまま男を見上げていた。  その間も薬効は全身を駆け巡り、舌先を苦みで染めていく。視界が歪み、目には薄く涙が溜まっていた。 「よし、いいぞ」  男の合図と共に、セシルは音を立てて錠剤を飲み込んだ。その様子を見て男達は笑顔でカメラを回し続ける。その画面には節くれ立った男の手に、甘えるように頬を擦り寄せるセシルの姿がはっきりと映っていた。 「流石に薬入れすぎたかな? もうお人形さんみたいになっちゃってる」 「お前、コイツがそんな可愛いもんに見えてんのか? 見ろよ」 「お゛おあぁあ゛ああぁ! ああぁ♡ あ゛っ♡ ん、げぇええ゛ぇっ!」  男は太いバイブを取り出し、幾度も突き入れ続けた。その度にセシルの絶叫が辺りに響き、乱雑に扱われた孔からはローションと共に血が流れ落ちる。だかそれすら意に介さず、セシルは再び吐精した。 「ははっ、こんなデカいもんまで咥え込んでイく人形なんざ良いとこダッチワイフだろうよ」 「それもそうだね。あ~あ、あんなに格好良かったのにねぇ」  医者はセシルの顔にまで飛散している精液を舐め取ると、そのまま深く口付ける。最早逃げることさえ出来ない舌を絡め取り、甘苦さを共有するだけで医者は絶頂に至りそうだった。  セシルが息を継ぐ度に、彼の優美な指先がベッドに深い皺を寄せる。耐えきれなくなった医者は、男を粗雑に押し退けるとセシルの肢体にのしかかった。  数時間も経つと、外の極寒など遠い夢のような蒸し暑さで部屋は満たされた。床にまで精液は飛散し、それが誰のものなのか判別出来ない。 「は…………ぁあ゛……っ……あ……」  セシルはとうに嗄れた喉で機械的な反応を繰り返していた。  目を閉じようとした瞬間、その横顔に医者が手を振り下ろした。二三度繰り返すと、セシルは再び目を開く。だがその瞳には何も映ってはいなかった。深い水底のような目を医者は覗き込むと、深い溜め息を吐いた。 「あんまり強いの打つとこれがダメだよねぇ」  感じまくってくれるのはいいんだけどさ、と呟きながら、既に首も据わらなくなってきているセシルの躰を揺さぶる。だが、その間にも重い目蓋は閉ざされようとしていた。  それも仕方のないことだ。連日のハードな撮影に加えて、常人であれば発狂してもおかしくない仕打ちを受け続け、心も躰も深く傷付けられている。現に何時間も泣き叫ばされて声は嗄れ 、耐え抜こうとする意識さえ幾重にも重なる薬効で根刮ぎ奪われてしまっているのだ。  最早セシルは限界寸前だった。その様子を見た医者は軽く首を振ると、漸くセシルから陰茎を引き抜いた。代わる代わる犯されたそこは薄らと口を開き、内側から様々なものが混じった液体を垂れ流していた。  男は舌打ちすると、傍らに放置されていた性具の中から貞操帯を手に取った。 「仕方がねえ。少しは体力温存させるか」  だが貞操帯を嵌めようとしても、セシルの陰茎は小さな枷に収まらないほど未だ固く勃ち上がっていた。当人が半ば意識を失っていても、暴走させられた情欲はセシルの躰を蝕み続けている。しかし男はそれに対して罪悪感を微塵も抱くことはなく、寧ろ苛立ちさえ覚えた。何か使える物が無いか辺りに視線を走らせると、医者が冷水の入ったボトルを持って歩いてくるのが見える。 「おっ、助かるな」 「自然に落ち着くの待ってたら夜が明けちゃうからね」  医者は蓋を取るとセシルを抱き起こし、そのまま躊躇いなく下半身へとボトルを傾けた。 「ひぁっ⁉ あ゛っ……!」  身を切るような冷水が最も熱い箇所に注がれ、その温度差にセシルは混濁した意識のまま僅かに反応を返す。僅かな痺れだけを残して、全身に纏わり付いていた熱さごと感覚が失われていく。だかそれ自体には寧ろ心地よささえ感じられた。セシルは既にホテルで何度か冷水を浴びて、強制的に熱を落ち着けたことがある。それは地獄が終わった後の区切りであり、少しでも安全な場所に留まるための儀式じみた祈りでもあった。だからこそ失われていく感覚は、セシルを束の間の安寧へ導いていく。彼は無意識的に全身を弛緩させ、意識をより深く沈めた。  だが一つ違うのは、今セシルがいる場所はホテルの浴室ではなく、男達の手の内ということだった。  カチャリと金属音が響き、萎えた陰茎に男の手で拘束具が付けられる。医者は残った冷水をセシルの頭にぶちまけた。 「…………あ゛……っ…………はぁ……」  髪から水を伝わせながらセシルは少しずつ正気へと引きずり戻されていく。それを手助けする薬を医者は抵抗出来ないセシルへと新たに何本か注射した。全身が怠くて仕方ないのに、意識だけは異様に澄み渡っていく。 「これで少しはマシになったかな?」 「おい! いつまで寝てんだ、起きろ!」 「づっ……う……あ゛!」  男の手がセシルへと振り下ろされると、彼は呻きながら目蓋を開いた。そのまま男達が乗り込むと固いベッドが数人分の重さで酷く軋んだ。 「もう寝てる暇なんかねえぞ。何度気絶しようが叩き起こして犯してやるからな」 「あ゛ああぁっ! あぐ、う、い゛いぃっ!」  男は孔に陰茎を突き込んだ。既に数時間も弄ばれていたそこは難なく長大な陰茎を受け入れる。正確には、それに伴う筈の歪みを快楽であると薬で騙し続けている。幾度も繰り返された光景だが、異なるのはセシルの反応だった。同じ行為だとしても、霞懸かった意識で受けるものとはっきりとした意識で受けるものは、与えられる感覚が明らかに違う。混濁の中で切り捨てられ、意識せずに済んでいたはずの圧倒的な肉の感触が細部まで再び届き始めた。 「うわっあ、あ゛あぁあ゛あああぁあああ゛あ゛あぁっ!」 「すっかり意識が戻ったみたいだね。今日はもうオチンチン使えないから他の場所でイく練習しようか」  医者は軟膏を大量に手に取ると、勃ち上がっている乳首を強く摘まんだ。男もそれに合わせて内部を抉るように強く突く。 「お゛ぁっ♡ あ゛、いまそれやめえ゛ぇっ!」 「セシル君はここが良いんだもんな。今日でしっかり覚えて帰れよ」  数日掛けて見つけ出した箇所を男は容赦なく蹂躙した。決して狙いが逸れないように両手で腰を掴むだけで男の心を強い征服感が満たしていく。そしてセシルには今まで感じたことのない快楽と屈服が植え付けらていくのだ。  それに追い打ちをかけるように、医者は勃起した乳首へと媚薬を塗り込む。連日の開発で殆ど何も感じなかった筈のそこは、既に触れられるだけで痺れるような感覚を得るように変貌していた。だがそれでも医者は満足することなく、より過敏に、より扇情的に変わるように促し続ける。その度に洩れる声は普段のセシルからは想像も出来ないほどに甘かった。  どちらの箇所もまだ開発は途上だとはいえ、相互に深く結びつくことで覚醒した意識は芽生え始めた快感をより強く得る。両手足を暴れさせようとしても、限界まで弱らされた躰ではのしかかる男達に押さえ込まれると何も出来なくなってしまう。非力な存在に貶められているという意識さえ、際限ない感覚を焚き付けた。 「あ゛あああぁあ゛、は……ぁ……あ゛っ♡ あ゛っ、あ゛あぁ♡ こわいっい゛やぁあ゛……ぁあ゛っ⁉」  そんな歪んだ認識もすぐに形を保てなくなり、襲い来る快感にセシルが身を任せようとしたその時、嵌められた枷が陰茎を強く締め付けた。今まで脳裏を支配していた快楽が全て痛みへと変換される。 「いだっ、い゛だいぃ……ああ゛っやめ゛、やめえ゛えぇえ! ぐっ……あ゛あ゛あぁあ゛あぁあ゛あああっ!」  金属が強く肉を締め付ける度にセシルは激痛に悶える。男性としての一番の弱点に容赦なく与えられる痛みに、声を抑えることも出来なかった。  それがどれほど惨めな光景か分かっていても、少しでも痛みを軽減したい一心でセシルは絶叫し、苦しみを訴える。だが男達はその悲痛な叫び声を聞いても手を緩めようとはしなかった。  寧ろ更なる苛烈さをもって、性感帯を責め立てる。本来であれば痛みで塗りつぶされる筈の快楽を、覚醒させられた意識は同じくらい鮮明に拾い上げる。弾力ある胸の肉に指が埋まる感覚で悶絶し、堰き止められる尿道の感覚で意識が白む。快楽を取り上げられた陰茎からは先走りだけが思い出したように溢れていた。締め付けられた狭い箇所を先走りが無理に通る感覚だけでも内部を撫で上げられているかのように感じ、それと同時に鋭利な刃物で切り裂かれるような痛みが駆け巡る。  相反する感覚が強制的に結びつけられ、意識ではなく躰へ、二度と忘れることのないように刻み込まれていく。頂にだけは登ることを許されず、その手前で激痛に縛り付けられる、それすらも快楽なのだと男達はセシルに教え込んでいた。  何度助けを求めようと、苦しみを訴える声が嗄れようと、その行為が止まることはなかった。  男達は責め立てる場所を入れ替え、まさしくセシルの全身を嬲り尽くしたが、嵌められた枷を外すことだけはしなかった。    何時間そうしていたのかは分からなかったが、セシルが正気を取り戻した時、彼はホテルのベッドに倒れ込んでいた。 「…………うっ……く……っ」  頭が割れるように痛む。そんな中で思い返した事実は、そもそも思い出したくもないようなものばかりだとセシルには思えた。  意識が混濁する度に薬を注射され、何重にも重複したその効果すら消え失せるほどに躰も心も摩耗して、掠れきった声でセシルは必死に許しを得ようとしていた。その姿を嘲笑われながら抱え上げられて車に乗せられた。半死半生でホテルの前で置き去りにされ、そこから暫く記憶が無い。掃除に出てきた人の良さそうなボーイに声を掛けられたような気がする。心配そうに自身を見つめる眼差しさえも、セシルにとっては今の自分の異質さを感じさせられるばかりのように思えた。既に躰へ染みついているだろう精液の臭いに感づかれたのではないかという不安が今更のように沸き上がる。あの純朴そうなボーイにそのような忌まわしい痕跡を見つけられたと仮定するだけで、セシルは胸を痛めた。  全身を引き摺るようにしてシャワールームに向かい、蛇口を捻る。乱雑に脱ぎ捨てた服の端が濡れていたが、そんなことに構っていられる余裕はなかった。  溢れ出した冷水が皮膚を伝っていく。幾度も繰り返した筈の行為だったが、そこにあった筈の安堵感は無かった。もう二度と得ることは出来ないのだとセシルは薄々理解していた。  冷水の感覚から連想されるのは安らぎとはほど遠い地獄の残像ばかりだった。  最後の力を振り絞り、僅かに残された魔力で毒を中和していく。だがそれも焼け石に水を撒くのと変わりない。全身の熱さが治まることはなく、変わり果てた感覚も戻ることはなかった。  発熱しているかのような怠さの最中で、セシルはタイル敷きの床へ座り込む。その時、カチリと軽い金属音が響き、嵌められた貞操帯がまだ外されていないことに気付いた。掛けられた鍵を開ける力はもう残っていない。これを外してもらうまでに何度泣き叫ばされるのか、今は考えたくなかった。  まるで白昼夢のように昼間の会話を思い返す。手に入れたリストから男達の関わりを調べ、自身の状況を纏めた書類を提出すれば警察は動いてくれるだろうか、とセシルは回らない頭で考えていた。一刻も早く、そして確実に男達に辿り着けなければ破滅するのはセシルの方だ。  やらなければいけないことは山積みだ。それなのに躰は動こうとしなかった。目蓋が重くてしかたなかった。猛烈な睡眠欲がセシルの意識を深淵へと押し込めていった。
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