ツアーズ感想(2回目)

 公開直後にも感想書いたのに、公開から1年以上経っている今また何故書くかと言うと、単に最近心を慰めるためにやっていた、ツアーズについて私が色々書き溜めていたメモを一つの形にしたかったからです。

 以下色々と書いてありますが、演出についての話は素人がこうじゃないかと勝手に考えただけなので、専門知識とかそういうのに基づいた明確な根拠はないです。
 また、字書きの癖に長い感想を論文みたいにまとめるとかは難しかったので箇条書きで色々書いています。

・キングダムの時点でプリンス1人1人の紹介パートはありましたが、ツアーズでも健在。
冒頭の映像パート、曲間奏中のセリフ、最初のMCの計三回に渡ってそれぞれの性格や特徴が特に力を入れて紹介されています。キングダムでややもすると冗長になっていた反省からか、それぞれの尺は短め。

・ツアーズ(曲)で、スタリがアルファベット言っていくくだりの後で、モニターでRを表示させて、最後にS字ステージ全体でSを表現して「STAR TOURS」って完成させてたことをこの前見返してた時に今更気づいてめちゃくちゃ感動しました。

・客の演技の細かさ。とても分厚い歓声やペンライトの振り方でそれぞれの存在が示されているの改めてすごいと思います。コーレスの時の動きはもちろん、アイドルの呼びかけにもちゃんと答えて前後に揺れるし、ファンサが飛んだらその方面だけめちゃくちゃ揺れる。個人的に嬉しいのが、そのペンラの持ち主の肉体は見えないことで、こう、存在を感じつつ詳細は分からない感じが、いい塩梅だと思います。
 歓声の出し方もそうで、統一されていないアイドルたちの名前の呼び方や悲鳴のパターンの豊富さで、リアリティや臨場感が生み出されていると感じました。邪魔にはならないように配慮しつつ、完全に歓声が途切れる瞬間が(例えばムービー中などでも)存在しないのはリアルだな~と。

・カメラワークや構図のパターンが非常に豊富。正面、横、だけではなく斜め上から撮ったり、ぐる~っと回したりして、アップから引き、引きからアップとそうやって移り変わる迫力が見ていて全然飽きないです。

・豊富なカメラワークで移されるアイドル達もCG制作の恩恵を受けて止まっている時間がほぼないので、目が足りなくなります。カメラの切り替わりが早いこともあるので初見で画面隅々の情報を得ることはほぼ不可能。多様な絵をこれでもかと叩きつけることで再見性を生み出しています。

・キングダムからそうでしたが、ツアーズは特に画面に色が多くて派手だなと感じました。プリンス達の原色に近い髪色、彼らを照らすスポットライトやレーザー、常に背景にいるペンラ、豪奢なステージが組み合わさって描かれる極彩色の風景には夢のような非日常を感じます。

・特筆すべき点としてメンバーバックダンサー制度が本当に慧眼だったと思います。関係ないモブバックダンサーを移すよりアイドルが見たいんじゃないかと語られているインタビューを見ましたが、本当にその通りです。また、バックダンサー制度によってキャラごとの関係性の演出やメンバーの心境の変化とかも描くことが出来ていると感じました。音也君に頑張れの視線を送る真斗君とか、愛島君のステージで音也君と愛島君で画面切り替わるところとか、真斗君のステージ全体とか、翔君のステージ見に来てるみんなとか……。

各ステージのギミック演出とその展開ついてのまとめ 最初に触れたように自分用のメモなので間違っているかも。私情もあるかも。

・音也君 動きが少ないステージなので雷雨以外特に演出なし。その分アップというか音也君の決め顔が多かったし、逆光演出とかライトの使い方も凝っていた印象。音也君のカリスマ性を映す為のステージだと感じました。

・神宮寺 でっかい噴水で豊富なカメラワークでのダンスと衣装チェンジ。ジャニーズリスペクトの女性マネキンと影絵演出もありました。冒頭の神宮寺を全体を映すカメラワークと、サビの神宮寺の不敵な顔を映して、差し出された腕をなめるように映して、バックダンサーに徹している翔君に至る流れるようなカメラワークは何度見ても、おおと思います。最後に撒き散らされる花びらと爆発も派手です。

・愛島君 中央に神殿がある関係上、ステージが狭いんですが、空を飛ぶことで天空のステージをスケートリンクに見立てています。そのおかげでステージの面積の狭さを克服しているのがミソな気がします。天空で愛島君が縦横無尽に飛び回る動きにスケートの優美さを加えていたり、イナバウアーでカミュとの師弟関係の匂わせにも成功していますね。地上ステージの冒頭でもルレを召喚したり、そのままステージを一回りすることで単調にしてないと思います。あと冒頭は表情を見せるカット割も構図の種類が豊富ですね。夢のドアをオープンのところでいつも死んでいるので最近やっと冷静に見られるようになりました。

・真斗君 ダンスを見せるためのステージがないのでアップが多めです。バラードですしね。スノードームを割る→階段を降りる→会場全体のライト変更&オーロラ展開で演出が広がっていくことにも演出意図が感じられます。中盤の明かりを受け渡すことでの神宮寺との関係性演出は言うまでもないですね。

・四ノ宮 一見関係ないクマにメンバーを入れることで再見性を出しているのも大きな特徴だと思います。あと手前にいることが多いクマ達ですが、奥で料理する四ノ宮に絶対被ってないのは配慮があっていいなあと思いました。そこから広々と会場を使って全体でコーレス、ダンス、飛散するマカロンで一体感のある演出だなと感じました。

・トキヤ 初手ライトカラーチェンジがフランスの昼からアメリカの夜に移るような演出で良いです。トキヤ消失からの再登場時の見渡して一気に寄るカメラワーク、ステッキを使ったマジック2種やサビのキャッチ―な拳銃振付も面白いです。あとトキヤのステージではエフェクトが多く使われてますよね。ちょっと前のプリクラのデコみたいなやつ。紫カラーは背景が落ち着きがちなので使われたのかなと勝手に考えています。あとステージギミックの大変化はやっぱり派手ですごくいいです。

・翔君 龍登場前からステージ中を結構派手に翔君が跳ね回っているんですよね。そこからの龍登場のド派手な演出と爆発。会場中を飛び回り、棒術演出自体もめちゃくちゃ派手。派手さに全振りしたステージだと思います。そんな派手はステージの始まりが、翔君のアイドルスイッチが入った瞬間からなのめっちゃいいなと思います。彼のこうありたいという願いが広がっているみたいで。

・UUUU ほぼフルの長尺ステージ。キャラ同士での絡みもずば抜けて多いですし、会場全体を走り回ってます。一番と二番で構図が被ることがあってもステージの高さを変えることで地球(ハート)を映して背景を変えて単調に見えないように工夫がされているなと思いました。間奏パートのダンスバトルには爆発や炎がガンガン使われていますね。

・SAMURIZEM 長尺ステージその2。2番部分をカットすることで描写する内容を被らせない知恵があると思います。また背景自体も四季をイメージしたステージを切り替えることで単調化を防いでいると思いました。最初のサビで花火を上げまくってド派手な演出、間奏の大名行列移動、殺陣、モノクロ演出を経て、ラスサビは敢えて追加演出なしでシンプルに。最後の締めで静かに終わることに繋げていると思いました。

・スタアワ トンネル潜って衣装チェンジ、サビの終わりで光り輝きながらコートを脱ぎ捨ててもう一度衣装チェンジの二段構え。気球を出現させてファンも含めて全員で歌いながらファンサ。背中から星座を出しながら飛行して締め。ファンサがメインなのでステージギミックは控えめな印象があります。この辺泣きながら見ているのであれですが。

・イリュ 5人まとめてダンスとファンサで目が足りない状態にしつつ船で移動。

・セイペア 移動はほぼ船に終始。ステージギミックの使用より二人の絡みを見せることがメインと感じました。

・ハグ サビでトロッコ飛翔。他二組とも絡みつつ会場を一周し上空ステージへ移動。

・ラスト 船を飛び立たせて銀テ爆発。

・1000% 観客のライト以外は特別な演出は少なめ。当時のダンスを今の技術で見せることに注力していると思いました。最後にはキングダムを彷彿とさせるヤケクソみたいな量の花火と爆発で〆。あと演出とは少し違いますが、最後にマイフオフで「ありがとうございました!」って言うのが、ライブだ……と思って興奮しました。

総評としては、全体を通じて単調にならないように配慮しつつ、プリンス達の成長をしっかりと見せている素晴らしいライブ映画だと感じました。特異なカメラワークと新しい構図が濁流のように流れてきますし切り替わりが早いのもあって何度も見たいと思わせられます。舞台装置の演出も書き出してみると非常に多いです。映画はどれだけ観客をワクワクさせることができるかのアイディア勝負とどこかで聞いたことがあるのですが、それをまさに実践したかのような映画だと思いました。アイディアが面白く密度が高い、素敵な映画だと思います。

次は同じフォーマットでキングダムの感想も書きたいですね。メモ書きはあるので。
それでは私はもう一回自宅搭乗をしてきたいと思います。

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