カーテンコール・スクラップ
極秘に語られた証言1
Q この騒動についてはどうお考えですか?
A ……どうしてこのようなことになったのだろうか。そう考えない日は無い。あの映像は捏造であることを願いたい。
Q 愛島セシルさんのあのような関係はご存じでしたか?
A 何一つ知らなかった。知っていたら止めていただろうな。
Q 止めていた?
A 事務所としての恋愛禁止令もあるが、そもそもあのような結果に繋がる関係が健全な恋愛とも思えないのだ。それに愛島には……いや、何でも無い。言葉が上手く続かんな。次の質問が欲しい。
Q かしこまりました。愛島さんに何か些細な兆候とかありませんでしたか? 服装の乱れとか、態度の悪化……
A ――申し訳ない。何も思いつかん。俺が見る限り愛島にそんな様子は無かった。
Q 何も心当たりはないと。
A 愛島にそんなふしだらな関係は無かった、筈だ。少なくとも俺にはそう思えた。ただ真面目にアイドルとして取り組み、深夜までずっと練習を続ける程、活動に打ち込んでいた。だから、そもそもあのような行為に溺れる暇など無い。
Q 愛島セシルさんとは普段からお話されますか?
A ああ、現場が合えばよく話す。最後に会ったのは一週間前だ。
ライブが近いから特別講師に教えを請うのだと、そう言って笑っていた顔はとても幸せそうに見えた。県境を越えるような遠くのスタジオまで何度も足を運んで……(以下略)